3Dプリンタの中でも有名な”Prusa i3 MK3S+“をAmazonで購入しました。組み立て済みは15万円と高額だったので、今回は10万円の組立キット版を選びました。
組立キットには3種類の工具が付属していますが、作業する上ではあまり良い品揃えではなかったので、組立時にあると便利な工具5つを紹介します。
Prusa i3 MK3S+の組立キット
購入後数日で組立キットが到着しました。大きい段ボールの中にはMK3S+の組立部品、工具、ガイドブック、ハリボー、製品データシート、フィラメントなどがキレイにパッケージングされていました。
ガイドブックの角が折れていたのは少し残念でした。
組立所要時間は?
Prusa i3 MK3S+の「組み立てガイド」では工程は9章構成で、各章が終わるごとにTwitterでつぶやき記録しました。
ながら作業の時間もありましたが、休憩を除くと組立に要する時間の合計は9時間ほどでした。MK3S+の組立時間は平均10時間と言われているので少し早い方みたいです。
ただし、作業時間9時間は本体の組立だけであって、ベルトの張力測定や9点メッシュレベリング、フィラメントのロードなどは別で必要です。
工具はキット付属ではなく自分で揃えよう
前述のとおり、Prusa i3 MK3S+はかなりの作業時間を要します。組立には以下の付属工具3種類を使うよう、組立ガイドブックに記載がありました。
どの工具も使えないことはないです。ただ、工具の品質は新品(?)の割にはあまり良くありません。加えて、たくさんのねじをL字の六角レンチで締めていくのは時間がかかるし疲れると思います。
組立作業の便利工具5つを紹介
ではどんな工具があれば良いのか?自分が9時間の組立を経験して「この工具があって良かった」と感じたものを5つ紹介します。
電動ドライバー
ねじを取り付ける際は電動ドライバーがオススメです。ボタン操作でドライバーが回転してねじをカンタンに締めることができます。先端のビットを取り替えればプラスドライバーも六角レンチもこの1つで済みます。
今回のMK3S+の組立だけでなく、家具の組立作業はもちろん、3Dプリンタを活用したDIYや電子工作でも大変役立ちます。
私はMK3S+を組み立てるときにベッセルの電動ドライバーを使いました。この電動ドライバーはある一定の負荷がかかると回転しない仕組みになっているので、必要以上にねじを回してねじ穴や部品を傷つけることがありません。
高性能な製品だとねじに合わせてトルクを調整できるものもあります。少し価格が高くなるので、予算に余裕がある方は検討してみてください。
六角ビット
上記の電動ドライバーは持ち手が電動式で便利になるものの、先端に取り付けるビットは別で用意する必要があります。MK3S+は六角穴のねじがほとんどなので、先端が六角ビットが必要です。ビットサイズは2.0、2.5、3.0mmがあれば十分です。
なお、M3六角穴付きねじ(ビットサイズ2.5mm)は斜めから六角レンチを挿して回す場面がいくつかあります。通常の六角ビットは斜めに入れられませんが、付属の六角レンチは先端が丸くなっている(ボールポイント)ため、斜めでもねじを締めることができます。
ボールポイントの六角ビットも世の中にはありますが、電動ドライバーで斜めからねじを締めようとすると、ボールポイントによってねじ穴がナメて潰れる可能性があります。注意してください。
ラジオペンチ
ラジオペンチはナイロンナットでのねじ留めと、ナイロンフィラメントの切断のために使います。ラジオペンチはキットに付属されていて、使う分には特に問題ありません。
しかし、先端部分で欠けた箇所がいくつかあったので品質面はあまり良くないと思います。欠けた箇所は鋭利なので今後使うときに部品を傷つけたり手指をケガしたりする可能性があるので。
ラジオペンチは何かと使う場面が多い工具かと思うので、せっかくなら状態の良いものを使うことをオススメします。電子工作のような細かい作業をするなら、先端が細いものも検討してみてください。
ニッパー
Prusa i3 MK3S+は構成部品に3Dプリントしたものを使っているので有名です。
この部品にはナットを嵌め込む穴やケーブルをまとめる結束バンドの通し穴などが設計されていて、キットを組み立てる最中にとても勉強になります。また、3Dプリンタの部品として利用できることもあり、印刷精度は十分とのことです。
ただ、3Dプリンタで作った部品の多くで糸引きが見られます。このような場合はニッパーで切り取ればカンタンに除去できます。
ライター or バーナー
先ほど糸引きを除去するのにニッパーを紹介しましたが、糸引きの箇所が多いと正直面倒に感じる作業でもあります。面倒くさがりの人にはライターまたはバーナーで加熱する方法ががおすすめです。
私は「ポケトーチ」と呼ばれる使い捨てライターを燃料とする簡易バーナーで糸引きの処理をしました。糸引き部分を温めると熱収縮により糸引きを小さくすることができます。完全には無くならないので、気になる場合はニッパーかラジオペンチで取りましょう。
温めすぎると部品が変形してしまうため、火を近づけすぎないよう注意してください。
火を扱う道具なので抵抗がある人もいるかと思いますが、3Dプリント品をキレイにするのにとても活躍します。気になる方は以下の参考記事を読んでみてください。
さいごに&今後について
本記事で紹介した工具は無理して買う必要はありません。キット付属の工具でもPrusai3 MK3S+は組立可能です。しかし、今後のメンテナンスや作業性を考えると、使いやすくて便利な工具を揃えるのも一つだと思います。是非検討してみてください。
ちなみにMK3S+の組立後、キャリブレーションとフィラメントのロードを終えてテスト印刷が完了しました。テスト印刷のPrusaロゴも問題なし。印刷物を見てPrusaの評判の高さを実感しました。
これからは半導体不足が落ち着けばRaspberry Pi 4を買ってOctoPrint導入によるWi-Fi転送+カメラ監視を検討しています。円安が落ち着けばMMU2Sを追加して多色印刷ですかね。
※2022年9月25日追記:購入して半年ほど経った今は、Raspberry Pi Zeroシリーズの最新モデル “Raspberry PI Zero 2 W”を購入し、OctoPrintによるデータ転送やタイムラプス撮影の機能を追加しています。また、MMU2SはTwitter上で中古のものを譲っていただいたので活用しています。これらに関する記事もあるので是非ご覧ください。
MK3S+をメインに3Dプリンタについて発信して、今年中には印刷物を販売して1個でもいいから売ってみたいですね。
ではでは。
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