3DプリンタのプラットフォームにPEIシートを導入してみた

3Dプリンタ
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この記事はこんな人にオススメ
  • 積層型3Dプリンタの1層目が定着せず困っている方
  • 面倒だと感じつつも、スティックのりで印刷ミスを回避している方
  • マスキングテープよりもスマートに解決できないかと考えている方

積層型(FFF方式)3Dプリンタの印刷ミスでよくあるのが、1層目の定着ミス

以前このトラブルに苦しんだとき、解決策として3M製のプラットフォームシートを導入しました。

導入当初は定着力が強く印刷ミスが起きなくなって良かったのですが、繰り返し使うとだんだん定着力が無くなり、1層目が剥がれるトラブルが再発。

追加購入することも考えましたが、「PEIシート」が良いという情報を知って買ってみました。

約1,500円(執筆当時の価格、2022/5/6現在はAmazonで1,788円)と多少費用はかかりますが、印刷成功率・品質が向上したのでオススメです。

PEIシートの導入過程やメリット・デメリットなどについて今回記事にまとめたので、読んでいただけると幸いです。

本レビューは購入したPEIシートのみに関するものであり、他で販売されているPEIシートすべてに関する内容ではないので注意してください。

前提:使う3Dプリンタとプラットフォーム

この記事ではQIDI TECHNOLOGY製のX-smartという3Dプリンタを使います。

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そして、PEIシートを貼り付けるプラットフォームがこちらです。

サイズは170x150mmと少し小さめ。青い表面は1層目が定着しやすいようにザラザラしています。しかし繰り返し使うと汚れ摩耗など定着力が低下します。一方、黒い裏面は表面のような加工はなく真っ平です。そこで、裏面にPEIシートを貼ります。

以前は3M製プラットフォームシートを裏面に貼っていましたが、定着力が落ちてきたのでシートを剥がしてPEIシートに貼り替えます。

PEIシートの購入先・外観写真

Amazonで購入したPEIシート(gazechimp)

今回購入したPEIシートがこちら。Amazonでの購入で、到着までは約1週間。包装はプチプチで、中華製品でよく見かける白い袋に入っていました。折り曲げ防止用の厚紙や段ボールは無かったので、輸送中に折れ曲がらずに済んで良かったです…。

そして届いた商品はこの2枚のシートです。

右側の半透明のシートがお目当てのPEIシートです。両面には緑色の保護フィルムが貼り付けてあります。一方、左側の「3M」と書かれたものはPEIシートをプラットフォームに貼り付けるための両面テープです。

gazechimp PEIシート 220x220x0.5mm

170x150mmのプラットフォームに貼るので、それよりも大きいサイズ(220x220mm)を選びました。ハミ出した部分はカッターで切り落とせばOKです。PEIシートを検討している人は購入時にシートのサイズを間違えないよう注意してください

メーカー公式のPEIシートもあるらしい

3Dプリンタによってはメーカー公式のPEIシートがあります。ユーザーの多いCreality Enderシリーズであればマグネット式のPEIシートが販売されています。公式商品の方が安心感があるので、3Dプリンタを持っている人はメーカー純正品がないか1度調べてみてください。

QIDI TECHNOLOGYでは、最新機種のX-PlusやX-Maxだと純正PEIシートがAliExpressで販売されているようです。

【手順解説】プラットフォームにPEIシートを貼る

3DプリンタX-smartのプラットフォームシートに、購入したPEIシートを貼る過程を写真とあわせて解説します。

1. プラットフォームに両面テープを貼付け

まず、両面テープをプラットフォームのサイズに合わせてカッターでカットします。そして剥離紙の片側をはがしてプラットフォーム裏面(黒い面)に貼り付けます。

両面テープのサイズ合わせ & 貼付け

ヘラを使って空気抜きを忘れずに

両面テープを貼るときは全面を一気に貼るのではなく、ヘラ(スクレーパー)を使って空気を抜きつつ、少しずつ貼るようにしてください。今回私は忘れていたので接着面の間に気泡が入り、かなり汚くなりました。

下の写真は3M製プラットフォームシートを貼ったときの様子ですが、空気を抜きつつ徐々に貼ればキレイに貼れると思います。気泡の存在が3D印刷に影響する可能性もあるので、キレイに越したことはないです。

貼り付ける際は気泡に注意して慎重に
(3Mプラットフォームシート貼付風景、ヘラの代わりにシンワ定規)

2. PEIシートを両面テープに貼り付け

両面テープの残りの剥離紙をはがし、PEIシートを貼り付けます。そしてハミ出た部分は後々カッターで切り落とします。

写真左のように、両面テープとプラットフォームの間に気泡がたくさんあります…。PEIシートを貼り付けるときも気泡に注意しつつ、ヘラを使って少しずつ貼り付けました。

3. PEIシート導入完了!

これで作業終了です。

両面テープの貼付作業で出来てしまった気泡をなくすことは出来ませんでしたが、ヘラで上から力を加えると少しマシになりました。

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自作モデルでテスト印刷

使う3Dモデルとフィラメント

PEIシートの定着力を確認するために、自作モデルをサンプルとしてテストしました。新富士バーナーのポケトーチに使うライター(CR-ML-17)3本を置くためのトレイです。

Lighter Tray for Pegboard by Hiroloquy | Download free STL model | Printables.com
This is a lighter tray for pegboard. This tray can hold three lighters. | Download free 3D printable STL models

フィラメントはPolymaker製のPLA樹脂フィラメント”PolyTerraを使いました。マットな質感が特徴です。

テスト印刷の結果

レベリング調整後、印刷した結果がこちらです(※モデルは公開データのものとは違います)。1層目が剥がれることなく、しっかり定着していました。印刷成功です!

別のモデルを使って5回ほど印刷してみましたが、いずれも同じように剥がれることなく成功しました。

【レビュー】PEIシートのメリット&デメリット+α

今回買ったPEIシートの定着力がかなり強力で、5回のテスト印刷はいずれも成功しました。
その中で感じたメリットやデメリット、その他に感じたことを説明します。

メリット:3Dプリント成功率向上・ストレス軽減・創作時間増加

定着力が強いので「1層目が剥がれて失敗…」ということが無く、印刷が安定性するのが何よりも最高です。

3Dプリンタは何かとトラブルが起きるので、印刷が上手くいくか心配になります。しかしリスクが減れば3Dプリンタへの信頼性が向上するので、印刷ミスへの心配・ストレスが軽減します。

また、定着失敗のリスクが減れば3Dプリンタで何か作ることに専念できます。3Dプリンタをものづくりの「手段」と捉えている方であれば、印刷トラブル解消に費やす時間が減るのでオススメです。

あとこれは感覚的なものですが、寸法精度が向上した気がします。強い定着力で印刷物が固定された状態なので、その分安定しているのかも。

デメリット:印刷物が剥がしにくい・底面白化・シートの跡残り

定着力が強い分、印刷物をシートから剥がしづらかったです。レベリング調整はテストする中で数回行いましたが、それでも剥がすのが大変でした。調整が不十分だったのかPEIシートの性能なのかは正直わかりません。

今回使ったプラットフォームはしならせてもOKだったため、曲げることでなんとか剥がせました。もしガラス製や曲げ禁止のプラットフォームであれば、ヘラ(スクレーパー)は必須だと思います。

また、剥がすと底面の白化がすごく、剥がした跡がシートに残りました。シートに残った跡はヘラ等で削れば取れますが、やり過ぎるとシート自体が傷つくのであまりオススメしません。残った跡の上に印刷しても影響が出ない程度の厚みであれば無視してOKだと思います。

底面の白化はライターバーナーヒートガンなどを使って軽く温めれば簡単に消えるので、さほど問題はありません。

その他感じた点について

底面の反りも多少改善、しかしモデル形状次第

3Dプリンタの失敗例で底面の反りがよく挙げられますが、この点に関する性能評価は難しいです。

前述のようにPEIシートの定着力は強力なので反りにくいです。しかし、下の写真では印刷物の右上・左上の角が白化せず、反ってしまいました

印刷物の左上・右上が反っている

3Dプリンタでは角は反りやすい形状で、他の底面は白化(=しっかり定着)していることを踏まえると、シートの性能やレベリングよりもモデルの形状の影響が大きいと考えます。

そのような場合、角を丸める(フィレット)などの工夫をすれば改善できるので、PEIシート自体はあまり悪くないかと思います。

底面の白化は反りを確認する上で指標になるからむしろ便利かも。

「3M プラットフォームシート」との差は?

定着力改善という点では3Mのプラットフォームシートと変わりません。むしろ、定着力がありつつも剥がしやすく、底面の白化が無い点では3Mのシートの方が良いです。底面も反射するぐらいキレイな状態になります。

ただし、3Mのシートは表面のコーティング (?) が印刷物と一緒に剥がれていたのは残念でした。この現象はAmazonのレビューでも言及されていて、写真のようにコーティングが一部付いた状態になります。このコーティングの剥がれが定着力低下につながったかもしれません。

3M プラットフォームシートのコーティング (?) が剥がれる→記事はコチラ

PEIシートはまだ導入したばかりで分かりませんが、使い続ければ印刷物の跡が増えていき、やがて定着力は低下するとは思います。

シートがどれほど持つかは3Dプリンタの利用状況にもよりますが、もし定着力が落ちて印刷ミスが発生したときはこの記事に追記しようと思います。

参考動画

こちらはかける + ねこべや工房3DIYさん(@nekobeya_n_m)の動画で、PEIシートを含め3Dプリンタのプラットフォームに関する内容です。

動画内で使用されるPEIシートでは底面は白化せず、鏡面のようなツルツルした状態です。一方、剥がした跡は私と同じく多少残っています。

PEIシートのメーカーや使うフィラメント、印刷設定の違いによる影響もあるかと思いますが、今回買った商品はだいたい同じ結果なので、デメリットに記載した内容は商品が悪いということではなく、PEIシートの特性っぽいです。

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【総評】PEIシートは良品

印刷物が定着せず失敗続きで困り、興味からPEIシートを導入してみましたが、かなり良かったです。

前述のようにデメリットがあり剥がしにくさに苦戦中ですが、それ以上に「印刷ミスが起きにくく安定している」「3Dプリンタを信頼して印刷を実行できる」というメリットが大きいですね。

また、約1500円ほどの費用で手持ちのプラットフォームの性能を向上できたのもよかったです。メーカー公式のPEIシートだと価格が高く、非純正品ゆえの安さだとは思いますが。

Amazonでは販売元が怪しいPEIシートがたくさんあるので、商品の状態や性能が大丈夫か心配しましたが、今回買ったのがハズレじゃなくてよかったです…。

さいごに

3DプリンタのプラットフォームにPEIシートを導入するにあたってレビューしてみました。1層目が剥がれるトラブルに苦しんでる方は是非導入して試してみてください。

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