どうも、Hiro (@hiroloquy) です。
4月から新社会人になり4ヶ月が経ちました。4ヶ月前までは大学院の修士課程に在籍し、修士号(工学)を取得しました。
大学院の2年間では、日本学生支援機構 (JASSO)の第一種奨学金を借りていました。そして修論でバタバタする修士2年の2月頃から「特に優れた業績による返還免除」の募集が始まったので、申請すると半額免除が認定された通知ハガキが半年後に届きました。
そのときのハガキ(認定証)がこちら▼
JASSOの奨学金の貸与額は毎月5万円または8.8万円です。もしこれらが免除になった場合、下記の恩恵を受けることができます。
数十万、数百万という借金の返済が無くなるのは非常にありがたい制度ですね。
ただし、この制度に申請するにはいくつか条件があったり、優れた業績を書類にまとめて申請したりする必要があります。
そこで本記事では返還免除制度の内容や注意点について話し、自分が申請した時の業績についてざっくり紹介しようと思います。
そもそも奨学金の返還免除とは?
「特に優れた業績による返還免除」という制度は日本学生支援機構(JASSO)の奨学金に関する制度で、JASSOのサイトにはこのように書かれています。
大学院で第一種奨学金の貸与を受けた学生であって、貸与期間中に特に優れた業績を挙げた者として日本学生支援機構が認定した人を対象に、その奨学金の全額または半額を返還免除する制度です。
JASSO, 特に優れた業績による返還免除 – 概要
注意点として、この制度は第一種奨学金をもらっている学生が対象です。第二種奨学金をもらっている学生は本制度を利用することができません。
次に「優れた業績」ですが様々なものが、例えば…
上記の業績が自分にはあり、他の人よりも優れていると思う方はぜひ申請してみてください。
【補足】上記3つはあくまで例であり、他にも業績として扱われるものもあります。業績の種類や評価基準などの詳細を確認したい方はこのページで確認してください。
また、本制度には条件を満たす学生全員がJASSOに申請できるわけではありません。
申請者はまず、在籍する大学内での選考に通る必要があります。返還免除の申請に値する学生をJASSOに推薦するために一度大学の中で絞るわけです。
「ではどれくらいの割合でその選考を突破できるのか?」
JASSOのサイト上で正確な値を見つけることができませんでしたが、下記2つの記事によると、学内の上位30%が推薦の対象らしいです。
この「学内上位30%」の関門はレベルの高い大学ほどキツい条件となります。
旧帝大やMARCH、早慶など偏差値が高いと言われている大学では優秀な学生が多く、予算も集まりやすいため研究も盛んです。そのような良い環境に身を置けば、全国の大学院生の中で高評価の業績を積み上げる可能性は高いです。
しかし、学内の他の大学院生も同じ環境の中にいるため周囲のレベルも高いです。そのため、「学内の上位30%」の選考を受ける際、周囲に差をつけるにはより多くの、またはより評価の高い業績が必要となります…。
以上から、奨学金が免除される学生の条件をまとめるとこんな感じです。
返還免除が認定されるまでの流れ、手続きについて詳細を知りたい方は下記リンク先で確認できます。
自分はどんな業績を書いたのか
では私は申請時にどのような業績があったのか?「優れた業績」とはどれぐらい必要なのか?
申請時の提出した業績をまとめるこんな感じです。
以降では各業績の件数や内容、免除を目指す上で良かったもの、また全額免除に足りなかったものなどを考察しようと思います。
【補足】以降の説明では下記リンク先の表中の項目順に沿って書いています。
学位論文
これは申請者全員が書ける業績です。修士卒なら修士論文、博士卒なら博士論文がこれにあたります。全員が書ける項目なので強く意識することはないと思います。
ただし、他の申請者と差をつけるなら評価の高い学位論文を書く必要があるので、学会発表や研究会、論文投稿などの機会を活用して自身の研究、文章をより良いものにする努力は必要だと思います。
研究論文:査読付き論文&学会発表
私は申請時、査読付き論文が3件、学会発表が6件ありました。第一著者は学会発表の3つのみで、他は共著です。
自身が取り組む研究を学外に向けて発表するだけでなく、先輩や後輩など他の人が取り組む研究に関わり、投稿論文の修正・添削に取り組むことで共著が多かったのが半額免除の認定に繋がったと考えています。これにさらに第一著者の査読付き論文があれば全額免除へ近づけたかもしれません。
また学会発表等での受賞歴があれば、より評価の高い業績になると思います。私は受賞歴がなかったので、もし何か受賞していれば全額免除に近づけたかもしれません…。
授業科目の成績
これは学位論文同様、申請者が全員書くと思います。大学・大学院での成績評価は主にGPAが使われますが、返還免除申請ではGPAとは限りません。現に私が申請したときはGPAと異なる評価方法でした。詳細は書かない方がいいと思うのでここでは伏せますが、各大学・大学院ごとの評価方法があると思うので研究室や大学院のOBに訊いてみてください。
評価方法がどうであれ、成績は良い方がもちろんいいです。個人の感覚としてはGPAが3を超える成績を取れる人であれば評価がどのよう方法であろうとあまり影響ないと考えています。
研究又は教育に係る補助業務の実績
この業績に関して、私は2種類の業績を書類に書きました。
ティーチングアシスタント(TA)
私は2年間ずっとTAをしていました。TA制度自体や担当する授業などは大学院ごとで異なるかもしれませんが、募集があるなら積極的に参加した方が良いです。
TAは高時給な上、学生の質問に答えたり演習・実習を手伝ったりすることで自身の理解が深まるからです。私は小中高生対象の個別指導塾で講師を約4年間経験していましたが、質問内容のレベルはTAで相手する大学生の方がもちろん高いので、同じ時間を過ごすならTAの方が良いと思います。
またアルバイトをするにしても、TAであれば教育に関わったとして評価され、将来の何十万円、何百万円という奨学金の返済額が減る可能性があります。なのでTAはやって損はないと思います。
ただし、TAのデメリットは授業のコマ数分しか働けない点で、奨学金だけでは生活が難しい方は他のアルバイトと併用した方がいいですね。
【参考】下記の記事によるとTAの時給は国立大学では1200円前後、私立大学では1500円程度とのこと。
研究補助のアルバイト雇用
私は所属研究室で研究補助のアルバイトをほぼ2年間していました。これは研究室によってはそもそも無い場合もあると思いますし、むしろ無い方が多いかも?
内容としては文字通り研究の補助ですが、これは免除申請の業績としてだけでなく、経験としても良かっと思っています。アルバイトとして時間を過ごすにしても、在籍する研究室の専門分野に関することを仕事として取り組むので、お金をもらいつつ勉強できるという有意義な時間を過ごせます。
もし自分の専門分野が好きであれば、最近流行りの「好きなことで生きていく」状態になり、無敵です。実際私も好きなロボットの研究にずっと関わることができたので最高でした。そしてその経験が卒業時には半額免除を導いてくれたので、なお最高です。
もし研究室で研究を手伝うアルバイトがあるなら、のちの経験としても奨学金免除の業績としても役に立つのでオススメします。
ボランティア活動その他の社会貢献活動の実績
この業績は大抵の人は書類提出時は空欄だと思います。しかし、私は1件だけありました。修士2年のとき、大学院の学生チャレンジプロジェクトを利用した高校生対象のプロジェクトを研究室の先輩が企画したのでそれに参加しました。
そのプロジェクトでは時給は発生しておらず、高校生という学外の人を対象とした教育的活動だったので「ボランティア活動その他の社会貢献活動の実績」として扱うことができ、業績として書くことができました。誰も埋めないであろうこの業績があったのは免除申請においては割と有効だったのではないかと考えています。
まとめ
本記事では、JASSOの第一種奨学金の返還免除の制度に関する説明と、自身が半額免除をもらった際の業績について紹介しました。
あくまで1つのサンプルでしかなく、「絶対この業績があれば通る」というわけではありませんのでご注意ください。
奨学金の返還免除に向けて頑張っている大学院生の参考になれば幸いです。
コメント