日本の3Dプリンタユーザーはフィラメントの吸湿について多く悩まされているかと思います。
四季は風情があり良いものですが、夏ごろは特に梅雨で湿度が高くなるため、3Dプリンタの材料となるフィラメントが吸湿しやすい環境になります。湿気を含んだフィラメントは劣化して印刷品質が下がります。フィラメント素材による影響の大小はありますが、防湿対策は必要です。
防湿用のケースが市販品、自作ともに多くの情報がネット上に存在しますが、それを導入する際に数値で温度・湿度を管理したかったので、温湿度計をAliExpressで購入しました。Xiaomiのスマート家電ブランドMIJIAが販売するBluetooth接続可能な温湿度計を3ヶ月使ってみました。
Bluetooth接続により、スマホのアプリ上で温湿度を確認できたり、最大過去6ヶ月のデータの変化をグラフで把握することができます。高性能な温湿度計でかなり便利だったので、本記事ではこの温湿度計について紹介しようと思います。
Xiaomi MIJIA製 スマート温湿度計
シンプルデザインの温湿度計
温湿度計の形状は四角形で角が丸くて優しいデザイン設計です。画面には温度と湿度、「快適」/「不快」を表す顔文字の3種類が表示され、非常にシンプルなデザインです。
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私は3個セットを注文しましたが、海外発送のため手元に届くまで約2週間かかりました。商品の箱が所々凹んでいましたが、中身の温湿度計自体は問題なかったです。
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中身には袋に包まれた温湿度計本体と、本体裏面に貼り付ける両面テープ、そして取扱説明書が入っていました。
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同梱された取扱説明書はすべて中国語です。イラストで雰囲気をなんとなく掴むことはできますが、読みたい方はカメラ越しで翻訳可能なアプリ「Google翻訳」を使ってみてください。実際アプリを使うと難なく読めます。
iPhoneユーザーの方はiOS16にアップデートすると、標準カメラ越しにテキストを翻訳することができます。詳細はコチラ(App Story)で解説されているのでお試しください。
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本体の裏蓋を開封:電池交換と固定用トルクスネジ
この温湿度計は裏蓋が取り外し可能で、電池交換ができます。ボタン電池CR2032が1個入っており、商品説明によると、低消費電力でバッテリーは1年間持続するらしいです。
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またケースの角にネジが2本ありますが、ネジ穴はトルクスでした。トルクスドライバーが手に入ったら分解して中の制御基板を今後見てみようと思います。
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温湿度計はアプリと連携可能!
スマート家電ブランドから商品を出していることもあり、この温湿度計はBluetooth接続と専用アプリを使って温度・湿度をリアルタイムで確認できます。また、複数台をアプリに登録することや、過去6ヶ月前までのデータをグラフ化することも可能です。
アプリは日本語対応で、iOS / Android どちらのOSでも利用できます。
活用例:PLAフィラメントの防湿対策
この温湿度計の購入目的は所有する3Dプリンタの材料であるフィラメントの防湿対策として、フィラメントを保管するケース内部の湿度を把握するためです。
防湿ケースの取付イメージ
ケースに温湿度計を取り付けるためにホルダーを3Dプリンタで自作し、ネジ(M3-10mm)で固定しています。大きく改善されることは特にないですが、温度・湿度が一目でわかるので便利です。シリカゲルの吸湿効果もこの値から判断できますし。
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防湿ケースに取り付けるために自作した温湿度計のホルダーはPrintablesで公開しているので、もし興味のある方はダウンロードしてみてください。
ケース内のシリカゲルはAmazonで購入しました。
アプリによる温湿度管理画面
ケースは2つ作っていて、それぞれ温湿度計を取り付けています。この2つをBluetooth接続で連携すると、このようにアプリ内で温度・湿度を確認することができます。
温湿度計にはそれぞれ「場所」と「センサ名」を指定できるので、画像のようにフィラメントのメーカー名や素材、色を書いておくと管理状況がより明確になるので便利です。
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- 場所:防湿ケース(複数個用意するなら3Dプリンタの機種名やケースの位置など)
- センサ名:メーカー + 素材 +色
またアプリではリアルタイムな温度・湿度だけでなく、最大過去6ヶ月分のデータを確認できます(画像のデータは使用期間2021年6月下旬〜9月下旬の約3ヶ月)。
季節や時間帯での気温・湿度の変化を理解する上で、このグラフはとても見やすく良かったです。やはり6月は湿度が高いですね。最高気温が毎月40℃近くになっていますが、これはフィラメントを窓際に置いているのが原因かと。改めて置き場所を見直そうと思います。
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【注意】Wi-Fi接続はありません (遠隔監視不可)
Bluetooth接続を使ってスマホ上で温度・湿度を管理できるのは大きなメリットですが、この商品にはWi-Fi接続はありません。そのため、家を出て温湿度計から離れると状況を確認できないので、外出時の3Dプリンタの監視には向いていません。
より高機能な3Dプリンタ環境を作りたい方向け
今回紹介した温湿度計では物足りない方もいると思います。
- 「3Dプリンタの印刷状況や温湿度を外出時でも把握したい!」
- 「カメラや温度状況を取得して火事対策に備えたい!」
といった高機能な環境構築を検討している方は、Switchbotを使うのも1つかもしれません。
Switchbotを使った3Dプリンタユーザー向けの動画はこちらが参考になります。温湿度計やカメラを連携して3Dプリンタの印刷状況を遠隔地でも出来る設定方法を紹介しています。
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お試し程度で安価に済ませたい方向け
逆に、「BluetoothもWi-Fi機能もいらない!」「もっとシンプルで安く購入できる温湿度計がほしい!」という方はこちらの商品を参考にしてみてください。測定値をディスプレイに表示するだけで、Wi-Fi・Bluetooth接続などの高機能はほぼありません。
安い分、複数個がセットで販売されているので、防湿ケースを複数作る予定の方にはオススメです!
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まとめ:Xiaomi製スマート温湿度計は便利で良品
今回はXiaomi Mijia が販売する、Bluetooth対応の温湿度計についてレビューしました。
Amazon、楽天といった通販サイトで手に入らないため購入が難しい方もいると思いますが、3Dプリンタのフィラメントの防湿対策にはぴったりの商品です!
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