どうも、Hiro (@hiroloquy) です。
最近、世界の誰かが考えた面白いロボットや商品がクラウドファンディングサイトのKickstarterで資金調達しているのをよく目にします。
そして、ロボットの研究開発を行う Boston Dynamics 社が開発した4脚歩行ロボットSpotからインスパイアされた犬型の4脚歩行ロボットをいくつか見つけました。
そこで本記事では、Kickstarter で公開されている4脚歩行ロボットのプロジェクト3つについてまとめようと思います。
Petoi Bittle: A Palm-sized Robot Dog for STEM and Fun
最初は昨年2020年、Petoi (@PetoiCamp) が募集を開始した4脚歩行ロボット。
私は当時動画を観て「面白そう!」と感じてすぐ購入したのを覚えています。今は梱包箱で眠っていますが、近々詳細について書こうと思います。
Kickstarterで支援した四脚歩行ロボット Petoi Bittle (@PetoiCamp) がようやく届いたから、これで遊んで四脚歩行ロボットへの理解を深めよう#Petoi #Bittle #Kickstarter #Arduino pic.twitter.com/0w8aSorhIz
— Hiro (@hiroloquy) March 1, 2021
本体のフレームは射出成形のプラスチックで、外観や色の組み合わせ(黄色と黒色)はSpotに似ています。
一方、足先のパーツと尻尾はシリコン製です。足先のパーツは摩擦が十分にあるので、より安定した歩行・走行が可能ですし、パーツへの負荷を軽減することもできます。
サーボモータの個数(自由度)は各脚に2個ずつ、そして首の1個で合計9個です。後述のロボット2種類より脚の自由度は少ないですが、頭部に1軸あることでカメラなどのセンサの向きを制御可能です。
ただし動画やプロジェクトページで紹介されている、Bittlenの頭部に取り付けたカメラ等のセンサは別途購入する必要があります。
動きでは、基本動作の歩行・走行だけでなくバク転や転倒復帰など、様々なアクションが可能です。またサーボモータを含め、脚部への衝撃を和らげるために脚にバネを内蔵する工夫が施されています。
プログラミングはArduino IDEやPythonのようなテキスト形式のものだけでなく、Codecraftのようなビジュアル形式のプログラミングにも対応しています。
動画内に映っている猫型4脚ロボットはNybbleと呼ばれ、開発元のPetoiがBittleよりも前に開発したものです(おそらく2018年ごろ)。
犬型のBittle、猫型のNybbleに関してはPetoiの公式ページ (petoi.com) から調べることができ、Kickstarterとは別のクラウドファンディングサイトIndiegogoで購入可能です。
XGO-Mini, An Advanced Quadruped Robot With AI Module
次に紹介するのが、XGO (@bencyliu) の4脚歩行ロボット。
Petoi Bittleと異なる点として、メインボディが金属になっていることです。素材はアルミなので軽量かつ高強度の設計です。ボディの輪郭線がシャープで、色はモノクロなのでSpot、Bittleとは違った雰囲気でカッコイイ。足先にはBittle同様、衝撃吸収のためのシリコン&ナイロン製のパーツが付いているようです。
各脚にサーボモータが3個ずつ、合計12自由度なので動きのバリエーションはこちらの方が豊富だと思います。
XGO-Miniには前方にLCDとカメラが搭載されており、操作者が指や手で指示すると、ロボットがそれを認識して指先の方向に歩くこともできるようです。まるで本当のペットみたいですね。
ROS対応のパッケージを配布しているので、研究開発にも応用できそうです。
画面とカメラ非搭載の廉価版が欲しい人にはXGO-Liteというバージョンがあるので、気になる方は調べてみてください。
Mini Pupper: Open-Source,ROS Robot Dog Kit
最後はMangDang (@LeggedRobot) が開発したこの4脚ロボット。
外観はPetoi BittleのようにSpotに似たカラーバリエーションになっています。一方、サーボモータは12軸でXGO-Miniと同じ自由度です。
ボディのフレームは3Dプリンタで出力した部品らしく、ロボットの写真を拡大してみると3D印刷特有の積層痕がみられます。樹脂の素材がPLA、ABS、TPU、PETGなどのどれなのかは明記されていません。
ソフトウェア面ではXGO-Mini同様、ROS対応です。自己位置推定と環境地図作成を同時に行うSLAMやナビゲーションを行うことができます。LiDARについては動作確認済みのものをプロジェクトページで紹介していますが、クラウドファンディングのリターンにLiDARは含まれていません。
また3Dカメラ、OpenCVによる画像認識についても事例を紹介していますが、LiDAR同様にカメラは別途自分で調達とのことです。
各ロボットの仕様比較
上記3つの犬型4脚歩行ロボットのプロジェクトについて比較するとこんな感じ。ソフトウェアに関してはユーザーが自分で部品を揃えて拡張しようと思えばなんでもできると思うので省いています。
ロボット名称 | Petoi Bittle | XGO-Mini | Mini Pupper |
---|---|---|---|
サイズ (mm) | 200×110×110 | 250×150×60 | 209×109×165 |
重量 (g) | < 280 | 700 | 560 |
自由度 | 9 | 12 | 12 |
ボディ素材 | 射出成形プラスチック | アルミニウム | 不明 (3Dプリント部品) |
足先素材 | シリコン | シリコン&ナイロン | 不明 (3Dプリント部品) |
液晶ディスプレイ (LCD) | × | 240×240 pixel Full-coler LCD | 240×320 ISP Free Viewing Direction LCD |
価格 | $250 USD (約27,769円) | $5,053 HKD (約72,094円) | $3,890 HKD (約55,531円) (Early Bird Complete Kit) |
クラファン募集期間 | 2020/8/25 – 2020/10/8 | 2021/8/3 – 2021/9/2 | 2021/9/29 – 2021/10/29 |
プロジェクト / 販売ページ | Kickstarter / Indiegogo | Kickstarter / Indiegogo | Kickstarter / Indiegogo |
Twitterアカウント | @PetoiCamp | @bencyliu | @LeggedRobot |
さいごに
今回はクラファンサイトKickstarterで公開されている4脚歩行ロボットの中でも代表的なプロジェクト3つを紹介しました。
私はPetoi Bittleのプロジェクトに当時参加し、Bittleをいただきました。しばらくは遊んでいましたが、Bluetoothアダプタに技適マークが無いことを知ってから、次第に遊ばなくなってしまいました…
せっかく購入した約2.5万円の4脚歩行ロボットなので、今回を機に久々に遊んだり3Dプリンタを使ってボディを改造したり、プログラムをいじってみようと思います。
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